終末期ケア専門士|看取りに関わる資格で根拠のあるケアを実践しよう

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看護師の働き方
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村上志歩美

緩和ケア認定看護師の村上志歩美です。
看護師としては15年目になり、これまで13,000人を超える患者さんと関わってきました。
緩和ケアの世界でキャリアを積み、順風満帆に思えた看護師人生でしたが、流産を経験して初めて我が子を亡くす痛みを知りました。そして支えてくれた家族や友人の優しさがどんなに人の心を癒やすのかを知りました。
こんな私だからこそ大切な家族を失う人の気持ちがわかりますし、緩和ケアの素晴らしさが伝えられます!
私が持っている知識を余すことなく発信するため、本の執筆や看護学校での講師など精力的に活動中。
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Last Updated on 2023年1月29日 by 村上志歩美

「緩和ケア」や「終末期ケア」を学びたいと思う方は看護師に限らず多いでしょう。

患者さんが安心・安全に心地よく過ごすためには、根拠に基づいたケアの提供が必要です。

根拠って言葉に私が嫌悪感を抱くのは、学生の頃の看護師さんとのやりとりが原因でしょう。

看護師
看護師

で、その根拠は?

とにかく看護師は根拠を求められます。

患者さんの命を預かっているわけですから、根拠にに基づいたケアが必要なのは当然です。

ですが、「根拠に基づいたケア」と言われると、感覚的に実践してきた人、新しい情報を取り入れていない人にとっては自信がないことだと思います。

私は緩和ケア認定看護師の資格を取得していますが、5年ごとに更新審査を受けることになります。

専門性を持った認定看護師として、質を維持していることを保証するためです。

医療の進歩はめまぐるしくて、常に勉強していないと取り残されてしまいます。

看護ケアも「昔はこうしていた」という実績があっても、今は別の方法が推奨されていることだってあります。

例えば、私が勤務していた病院では10年前は経管栄養は栄養剤と白湯を混ぜて注入していましたが、最近は白湯を注入して30分ほどおいてから栄養剤を注入するようになりました。

新しい薬剤が開発されたり、研究が進んでいく過程で今までの絶対的ルールが見直されたり否定されていたりします。

医療の発展に私たちは常に関心を寄せて、新しい知識を得ていきたいものです。

医療の発展で何が起こったかというと、平均寿命が延びていることが一番に思いつくのではないでしょうか。

みなさんは、『2025年問題』という言葉を聞いたことがありますか?

2025年問題

2025年問題』とは、超高齢社会が訪れることで生じるさまざまな影響のことを言います。

【出典】総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

2025年には「団塊の世代」800万人全員が後期高齢者(75歳以上)となると言われています。

高齢者世帯数は約1,840万世帯に達し、約7割が1人暮らしか高齢夫婦のみになると推測されていると聞くと深刻に感じますよね。

また、厚生労働省によると認知症を患う人の数は、2025年には700万人を超えると予測されています。

【出展】厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)パンフレット作成について

少子高齢化の影響がこれから一層深刻な社会問題となります。

2030年には、47万人が看取りの場所を失うことになるとも言われています。

病院や医師不足により今後は在宅療養の推進が加速化されていくことでしょう。

在宅でケアする看護師、介護士のマンパワーが必要になりますね。

看護師
看護師

ちゃんと自分の看護に自信を持ちたい。

根拠に基づいたケアを提供したい。

新しい知識を得て、自信を持って患者さんのケアをしたいと思う方も多いことでしょう。

そこで今回 私がご紹介するのが『終末期ケア専門士』という新しい資格です。

終末期ケア専門士とは?

2020年にできたばかりなので、今のところ社会的知名度はあまり高くないかもしれません。

私も『終末期ケア専門士』には興味はありますが、動向をみていました。

終末期ケア専門士は2020年に日本終末期ケア協会が創設した 患者・利用者様の一番近くで「支える人」として、エビデンスに基づいたケアの実践をおこなえることを目指す資格です。

一般社団法人日本終末期ケア協会 (jtca2020.or.jp)

【出展】日本終末期ケア協会 臨床ケアにおけるスペシャリスト「終末期ケア専門士」

終末期ケア専門士は「支える人」 「育む人」 「伝える人」とステップアップしていく資格です。

実践者として関わるのなら終末期ケア専門士の資格を勉強すれば確実にケアの質は向上するでしょう。

あやふやな知識で自信がないままケアするのは心が苦しいですし、患者さんや利用者さんにとっても頼りにならない存在ですから。

やはり、根拠に基づき新しい知見を持った専門家にケアしてもらいたいものです。

そして、自信を持ってケアできるようになったら次世代を育成するというのはいい制度だと思います。

2025年問題以降、介護する側が不足してしまう問題は避けようがないことです。

ケアに携わる人の知識と技術を高めるためには必要な資格だと言えますね。

「緩和ケア認定看護師」で求人情報を検索すると、同じように「終末期ケア専門士」の募集もありました。

在宅の現場では、今まさに終末期ケアにおけるスペシャリストが必要とされているのです!

私は個人的に何かしらの資格を持っているのは強いなと思っています。

ただ自己勉強しただけでは、自分が何者でどのような力を持っているのかを証明できないことはありますよね。

認定看護師になる場合、最低6ヵ月の教育を受けることと100万円近い費用が必要となります。

緩和ケア認定看護師になる方法、受験対策、かかるお金や大変だったことをお話しします。 | しぽさんぽ (shiposanpo.com)

認定看護師に結婚&妊娠は難しい⁉現役緩和ケア認定看護師が本音トークをしています! | しぽさんぽ (shiposanpo.com)

終末期ケア専門士の場合は、受験料10,000円、登録料10,000円、更新料5,000円(3年ごと更新)となっています。

終末期ケア専門士になるには?

終末期ケア専門士になるには、年に1度開催される試験に合格する必要があります。

2022年の終末期ケア専門士の合格率は67%だったと公開されています。

終末期ケア専門士公式テキストがあるというのはとてもいい点ですよね。

緩和ケア認定看護師は定められた教材がないため、とにかく独学が必要でした。

終末期ケア専門士公式テキストの目次は以下のとおりです。

  • Ⅰ.概論
  • Ⅱ.終末期におけるチームケア
  • Ⅲ.日常生活を支えるケア
  • Ⅳ.身体症状とそのケア
  • Ⅴ.意思決定支援
  • Ⅵ.家族ケア
  • Ⅶ.スピリチュアルケア
  • Ⅷ.グリーフケア
  • Ⅸ.看取り期のケア
  • Ⅹ.終末期を取り巻く社会資源
  • Ⅺ.疾患別終末期ケア

終末期ケア専門士公式テキスト4,980円(税抜)5,478円 (税込)は、2023年3月に第2版が出版されるそうです。

緩和ケア認定看護師として、終末期ケアに長年携わってきましたが、チームケアや社会資源に関する内容まで網羅されているテキストは素晴らしいと思います。

終末期ケア専門士になるならない関係なく勉強になるでしょう。

終末期ケア専門士の受験資格は?

【出典】日本終末期ケア協会 受験資格・概要について

日本終末期ケア協会のホームページに掲載されているように、終末期ケア専門士の受験資格は実務経験年数が2年以上か3年以上か職種によって異なります。

多くの医療従事者が終末期ケア専門士の受験資格をもっていますね。

2023年に受験するには⁉

第4回終末期ケア専門士の試験申込期間は、2023年3月31日(金)~2023年9月15日(金)です。

申込期間は半年近く猶予があるんですね!

そして大切な試験日は、2023年10月10日(火)〜10月31日(火)となっています。

終末期ケア専門士の試験申込~合格までのおおまかな流れはこちら▼

  • 試験申込
  • 審査期間
  • 審査結果通知送付
  • 試験会場の予約
  • 試験(90問・択一または択多問題)
  • 合否結果郵送

試験申込から合格発表までの流れについては日本終末期ケア協会のホームページに詳しく掲載されています。

まとめ

今後の日本の医療を考えると終末期ケア専門士に期待される役割は大きいでしょう。

2020年に始まった資格制度ではありますが、すでに求人情報には「終末期ケア専門士」を募集している施設も見受けられます。

終末期ケア専門士に合格して1年後には終末期ケア上級専門士の受験資格(二次試験まで)が得られます。

こうして実践から役割モデルとなり教育をしていく方が増えると、自ずと終末期ケアの質が向上していくことでしょう。

私は個人的に終末期ケア専門士という資格は、看護師以外の職種の方にもどんどん浸透していってほしいと思っています。

後期高齢者の数は増え、認知症を患う方も増えていきますので、終末期ケア専門士の活躍に期待しています。

まだまだ社会での終末期ケア専門士の知名度は低いと思いますので、今後さらに発展していくことを願います。

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